イベントレポートある日の銀座十字屋
ホール主催イベント

ワールド・オブ・あんみ通

2015.6.5 十字屋ホール
 毎年恒例の「楽器の日」スペシャル・コンサートだが、今年は和楽器に主眼が置かれたようだ。和楽器といえば、大衆にも伝播しているという点で、三味線は外せない。ところが、日本を代表する楽器でありながら、三味線は依然と伝統楽器の枠に収まっているし、考えてみればじっくりとその音色を聴く機会は激減している。そんな中、あんみ通のように女性二人がデュオを組み、三味線の今昔とその魅力を伝えているというのは、とても有意義なことである。

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 ステージ構成は、前半にこの企画のプロデューサーである小野木豊昭さんが、楽器の日に因んで「三味線ミニ講座」を展開。後半に、あんみ通のコンサートをたっぷり聴かせるという趣向だった。前半の三味線の解説が面白く、三味線の歴史を分かり易く紐解くのみならず、三味線の解体ショーも行った。マグロの解体ショーなら見たことはあるが、三味線も分解できたのか・・・。持ち運びにも便利ではないか!目から鱗とはまさにこのことだ。伝統を現代へ近づける努力。逆風のなか、こうしたひたむきな継続は評価できる。

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 津軽三味線を掻き鳴らすと、どうしても縦ノリでアタックが強い音を奏でるため、ユニゾンなどは力強く、その新鮮な響きに驚くのだが、暫くすると耳が次第の慣れてしまい、 かえって音色が単調に聞こえてくる。あんみ通は、歌を導入したり、曲の選択に注意を払ったりと、変幻自在の工夫をしてくる。さらに演奏の技術に至っては、和楽器の素人でもその素晴らしさを体感できる。臨場感が素晴らしいのである。当日はあいにく梅雨の大雨。辛気臭くなりがちな湿っぽい雰囲気を、陽性の二人が快活な三味線で吹き飛ばしてくれたのが印象的だった。