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Vol.10  Beautiful Days / ティコムーン

銀座十字屋で取り扱うCDの中から、スタッフが実際に聴いてみて、みなさまにおすすめしたいCDをレビュー形式でご紹介します。CDレビューの一覧はこちら
 

 

Beautiful Days / ティコムーン

吉野友加のレバーハープと影山敏彦のアコースティック・ギターのデュオから成るティコムーンの音楽は、「これぞカフェミュージック」と言えそうな設えだが、実は聴くとむしろおうちへ帰りたくなる音楽だと思っている。午後のカフェオレを頂きながら陽あたりの良いカフェで聴くと、バッチリ様になると思うけれど、じっとその調べに身を委ねていると、彼らの曲って、日常のほんの些細な光景をルーペで覗き込んだら、初めて気づいたような新鮮な事象にパチパチと手を叩きたくなるような音楽なんだ。だから早速自宅に帰って、生活の一部に日常音楽として取り入れたくなる。一般的には、よくハープには、フルートが相性いいと聞く。でもアコギはというと、そんな話はあまり聞かない。でも二人は、昔、皆も少年少女の頃、「こうでなければいけない」という呪縛など何もなかった時の、素直さと強さを持っている。自分たちの弾きたい楽器を持ち寄って、対話している・・・そんな情景が浮かんでくるコンビネーションなのだ。「ハープとギター、なかなか相性いいじゃない!」ではなく、二人が対話を楽しんでいて、あくまでその結果として和やかで柔らかい光景が浮かび上がる。それがティコムーンのもつ独特の世界観だと思う。

このアルバムは、2003年から2016年までリリースされてきた作品のベスト盤だ。オープナーの「ビューティフル・デイズ」から「ノーザン・ライツ」まで、全部オリジナルというのが潔い。個性を凝縮したような、お気に入りの雑貨を全部机の上に乗っけたような、不思議な達成感がなぜかある。今回収録されてないけど、ホントは「ワルツ・フォー・デヴィ」「初恋」「戦場のメリークリスマス」といったカバー曲も素敵なんだよ。


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