ハープ界を代表する2つの名門ブランド、イタリアのサルヴィハープスとアメリカのライオン&ヒーリー。この2社から同時期にリリースされた38弦レバーハープの最新モデル「T2(ティーツー)」と「Lyric(リリック)」の国内最速お披露目会を開催しました。
ゲストとして登壇したのは、映画「すずめの戸締まり」や東京オリンピック2020の式典演奏でも知られるハープ奏者・堀米綾。
進化を遂げたこれら2つのハープを前に、プロの奏者はどのような印象を抱いたのでしょうか。演奏とトークで盛り上がったイベントの様子をお届けします。

開演前の銀座十字屋ショールーム。会場にはゲストの堀米綾さんの楽曲がBGMとして流れ、優雅な調べが来場者を迎えます。ステージには、流線型のデザインが特徴の「T2」と、鮮やかなティールカラーが目を引く「リリック」。
開演を待つお客様が舞台上の楽器を熱心に覗き込み、スマートフォンで撮影したり、スタッフに早速質問を投げかけたりする姿が見られました。
「どんな音がするんだろう」「自分の愛機とどう違うのか」──。来場者の皆様のそんなワクワクした期待感が、BGMともに会場全体を包み込んでいました。
司会者の合図とともに、ハープ奏者・堀米綾さんが登壇。大きな拍手の中、まずは二つの楽器を前にした率直な感想からトークが始まりました。
司会:本日はハープセレクション 銀座十字屋にお越しいただきありがとうございます。本日は、イタリアのサルヴィハープスとアメリカのライオン&ヒーリーから同時期にリリースされた最新モデル「T2」と「リリック」をご紹介します。ゲストには、オリンピック式典演奏や数々の映画音楽を手掛ける堀米綾さんをお迎えしました。
堀米:よろしくお願いします。
司会:まずはモデルの概要です。「T2」はベストセラー機『タイタン』の兄弟機であり、流線型の美しいデザインが特徴の次世代モデルです。一方の「リリック」は、プロが求める音量と音域を実現し、モダンなカラー展開(本日の展示はティール)も魅力的な一台です。先生には事前に2つの新作を弾き比べていただいておりますが、全体の印象はいかがでしたか。
堀米:めったにない機会で、新しい新作を好きなだけ弾き比べさせていただけるなんて、ありがたい機会だなと思いながら弾かせていただきました。この2機種は38弦で同じ音域ですが、全然個性が違っていて、どちらも職人さんのプライドというか愛情を感じる機種だなと思いながら演奏していました。弾くほどにどちらも好きになって、欲しくなって困っているところです。

まずは、イタリアンデザインが光るサルヴィハープス「T2」の深掘りです。
司会:まずはサルヴィハープスの「T2」から掘り下げましょう。既存モデル「ミア」「タイタン」と比較してどう感じましたか?
堀米:T2は、ミア(34弦)の持つ軽やかさと、タイタン(38弦)の深みのある大きな音の「ちょうど中間」を取ったような、非常に弾きやすい楽器です。
司会:実際に演奏していただいた際の感触はどうでしょう?
堀米:弦の張りが丁度よく、残響が長すぎないのがいいですね。音がクリアに飛んでくれるので、アイリッシュダンスのようなテンポの速い曲でも音が潰れず、しっかりと聴かせることができます。
続いて、アメリカのライオン&ヒーリーの「リリック」。比較としてサルヴィハープスの「ウナ」も並べ、その違いに迫ります。
司会:続きまして、ライオン&ヒーリー社の「リリック」を弾き比べたいと思います。既存モデルの「ドレイク」(34弦)と、比較としてサルヴィハープス社の「ウナ」(38弦)も用意しました。
堀米:このリリックは一音一音が主張があって、とても美しいです。高音域の伸びがすごくいいなという印象があります。ライオン&ヒーリーのグランドハープもそうですが、高音域がホールで弾くと華やかに響く楽器なのですが、これもそういうタイプの音がして綺麗だなと思いました。低音、中低音域の迫力や残響もすごく長いので、いろいろなシーンで使いやすいんじゃないかなと思います。
司会:どのような方におすすめですか?
堀米:サルヴィハープスのT2は初めてハープを買われて、これから指の形とか練習するよという方にもおすすめですが、こちらのリリックは今グランドを弾いていて、2台目にアイリッシュが欲しいという方にもぴったりな気がします。初めてハープに触れる初心者の方は、豊かな響きに助けられて、気持ちよく弾けると思います。
対談が進むにつれ、会場の視線はより一層楽器へ、そして堀米さんの指先へと集中していきます。続く後編では、堀米さんによる圧巻の演奏と、サプライズの様子を余すことなくお届けします。お楽しみに!

堀米綾さんの最新情報
・CD「間を奏でる」(ジャズピアニスト・林正樹氏との共演)発売中。
・年末年始に向け、オカリナやチェロとの多彩なコンサートも企画中。詳細はSNSをチェックしてください。

堀米 綾 Aya Horigome(プロフィール)
東京都出身。11歳よりハープをはじめる。東京藝術大学ハープ専攻卒業。 同声会新人賞受賞。 JazzPopHarpfestival2007(ソルトレイク)参加を転機に、自由なパフォーマンスを追求しようと決意。様々なアーティストと積極的に共演を重ね、ハープの新たな可能性を探求している。
レコーディング分野にも定評があり、映画「すずめの戸締り」「天気の子」連続テレビ小説「らんまん」大河ドラマ「八重の桜」ドラマ「初恋」「岸辺露伴は動かない」「東京オリンピック2020開会式・閉会式」、映画「翔んで埼玉」出演ほか参加作品多数。
現在「菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール」「アンサンブル東風」ピアニスト林正樹氏率いる「間を奏でる」オカリナと小型ハープ2台による「ゴシキヒワ」「Rosco Motion Orch.」のメンバー。 サクソフォン、二十五絃箏とのデュオを継続して開催。 これらのグループやソロ、オーケストラで、各地で演奏、複数のアルバムを発表している。世界的タップダンサー熊谷和徳氏の公演にも度々参加している。ラジオOTTAVAプレゼンター。
製品情報
Salvi Harps T2
Lyon & Healy LYRIC
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