会社情報

代表取締役会長

音楽や文化を発信し続けること。銀座十字屋の使命と考えます。

 日本初の西洋楽器店として発足して以来、140年以上、銀座十字屋が貫いてきた信念とは、「皆様にもっと幅広く音楽を知って頂き、楽しんで頂きたい。音楽の素晴らしさ、音楽の力をひとりでも多くの方に気付いて頂き、もっと豊かな人生を送って頂きたい」という想いでした。

2016年3月末日に、そんな想いを具体化した情熱の結晶のひとつであった十字屋ホールを閉所致しますが、いまイベントなどを通じて音楽や文化に関して新たな試みを問うべく、再び岐路に立ったところです。昔も今も、そしてこれからも銀座十字屋は「音楽・文化の発信地」として、皆様の心の豊かさを育む一助となるべく寄り添っていけたらと願っております。

代表取締役会長 中村千恵子

代表取締役社長

これまでの140年を見つめ直し、これからの永遠を創り続ける。

「常に顧客の感動を創造し、新旧文化を発信し続ける企業体を目指します」
これは当社の企業理念です。銀座十字屋はどこに向かうべきかを明確に示し、社内で共有する目的で作成しました。「満足から感動へ」と時代の要求が変わる中で、お客様一人ひとりへの対応もまた変わる必要がある・・・そんな発想のもと、私たちの回答として「感動を創造」というキーワードを掲げました。加えて140年の歴史において先代たちが開拓し、築いてきた理念を再びDNAとして認識させるべく、「新旧文化」の言葉を抽出。温故知新の意志を託しました。新しい価値へ挑戦し、音楽を通じてお客様にお届けする姿勢こそ、銀座十字屋の普遍的なスタンスです。

従業員一人ひとりの想いと行動が、「モノからコトへ」を実現する。

また時代は、「個」という側面も見せています。大量生産・大量消費から、個々の事情に合わせた対応型消費に向け、私たち銀座十字屋も改革とチェンジが必要です。そして大きくダイナミックな変革を実現するのは、ほかでもない従業員であり、彼ら、彼女らの意識に100%委ねられます。お客様の感動を創造する、それはひとえに従業員一人ひとりの想いと行動にかかっていると言えるでしょう。いつも自覚を持ち、お客様の立場になって考える。そうした銀座十字屋らしい社風を維持し、人材の育成に務めることが、トップとしての私の役割と自認しています。

「儲ける」の文字の中に、私たちの存在意義が見えてくる。

儲けると聞くと、あまり良い気持ちにはならない。私たち日本人の、一般的な感覚と言えるでしょうか。しかしあらためて「儲」の漢字を眺めてみると、実に良くできていることに気づきます。
「イ=にんべん」は、私たちのようにモノやサービスを提供する側の「人」を表します。つくりの「者」はお客様をはじめ私たちと相対する人の存在を、そして間にある「言」はコミュニケーションを。つまり私たちとお客様の間に言葉や気持ちのやりとりが生まれることで、まず商売の芽が生まれます。やがてそれは大きな幹となり、枝葉を茂らせていきます。言い換えればお客様との一生のお付き合いを通じ、企業は不動の収益を生み出していくわけです。
特に私たち銀座十字屋を振り返ってみると、これほどふさわしい文字はないと考えます。単なる楽器店や音楽教室を超え、生涯にわたる良質な関係をお客様と積み重ねていく。それが銀座十字屋にとっての「儲ける」であると、ここでは明言させていただきます。

住まい、職場、そしてカフェなどに続く「第四の空間」として。

お客様一人ひとりと真摯に向き合える従業員の育成、心地よい空間としてのサロンの維持、そして常に驚きと感動を味わえる、スパイスの効いたサービス。私たち銀座十字屋は、独自の長所を介して、お客様にチャレンジとリラックスが共存できる空間を提供します。住まい、職場、カフェなどに続く「第四の空間」として存在し続け、芸術性や音楽性を高めていただけるスペースであること。それこそが銀座十字屋であり、この場を借りて私がお約束いたします。皆さま方のご利用を、心よりお待ち申し上げます。

代表取締役社長 倉田 恭伸

会社概要

商 号 株式会社 銀座十字屋
創 業 1874年(明治7年)5月
設 立 1937年(昭和12年)12月
本社所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座3-5-4 十字屋ビル8階
電 話 03-3561-5186(代表)
資本金 10,000千円
役 員 代表取締役会長 中村 千恵子
代表取締役社長 倉田 恭伸
常務取締役 中村 金次
監査役 田中 敏雄
事業案内 1.CD、DVD、その他音楽ソフトおよび、楽器、楽譜の販売
2.ハープ・フルート音楽教室の運営
3.書籍、雑誌の発行ならびに販売
4.各種イベントの企画・運営
主要取引銀行 みずほ銀行銀座支店
三井住友銀行銀座支店

沿革

※社名は当時の呼称を使用しています

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明治時代

明治7年

開業

キャロザース執筆の聖書の翻訳、出版、販売のため、現在地において十字屋の商号で開業。以後、教会音楽を通じ楽器楽譜類および音響関係全般を取り扱う。十字屋の商号は、創業当初のキリスト教の影響を強く受けた経緯による。

明治18年

紙腔琴(シコウキン)の製造販売

戸田欽堂による製作。また上原六四郎製作の楽譜販売も同時期に始める。
●当時の大博覧会ごとに賞を受賞し、明治18年より明治末まで多くを販売。日清戦争・日露戦争の頃には慰問品としても重用された。この時代、十字屋の基礎ができる。

紙腔琴(シコウキン)の製造販売
明治22年

西川虎吉 外国から材料を取り寄せピアノを製作

明治27年

「大捷軍歌(タイショウグンカ)」 出版 全7編

●十字屋が版権を保有していた軍歌。日清戦争当時の新聞記事を母体にして作られ、小学校の教材にも取り入れられた。

明治27年

西川風琴(オルガン)を販売

●西川虎吉は日本初のリードオルガンの製作者と言われ、彼のオルガンは西川風琴と呼ばれた。文部省試験の合格を契機にオルガン製作工場を起こし、オルガンの大量生産がはじまった。

明治20年代後半〜
明治30年代

卸商売を開始

●主な取扱製品:舶来手風琴/西洋横笛/大小兼用ろう管蓄音器/新発明楽器〝陽琴〟/舶来銀笛(フラジオレット)/明笛/尺八(都山流)/吹風琴/鉄心琴(グロッケンスピール)/月琴/ピアノ(西川製)/バイオリン(舶来、鈴木製)/オルゴール/軍楽器/舶来品クラリネット/バス/アルトホン/ホロン/コルネット/カスタネット/トライアングル/シンバル/大太鼓/小太鼓/信号喇叭/譜面台/五線紙手風琴獨まなび(全2冊)/銀笛獨まなび(全1冊)

明治30年代

出版物の販売が好評

●主な取扱製品:幼年唱歌(全10冊) 納所辨次郎、田村虎造共編兔とかめ、桃太郎、金太郎など現代もうたわれている有名な童謡集/洋琴教則本(バイエルを訳したもの) 奥好義訳/学校唱歌(全2冊) 明治音楽会編/日本遊戯唱歌(全7冊) 鈴木米次郎編/新式唱歌(全1冊) 鈴木米次郎編/修身教典唱歌(尋常科第1学年用)中等単音唱歌(全1冊)/新唱歌(全2冊 教科適用)山田源一郎編/進行曲(全1冊)20数版作成 瓜生繁子編/少年唱歌(全8冊 教科統合)/中学唱歌集(全3冊)/山田唱歌集(全1冊)/新教育唱歌(全1冊)/輪唱複音唱歌集(全1冊)/最新中等唱歌集(全1冊)/オルガン独習ノ友(全1冊)/バイオリン独習ノ友(全1冊)/端唄全集(10数冊)/乃木大将の唄(教科適用小学校1年生)

明治40年代

ビクターレコードと独占契約

●ビクターレコードとの契約により、国内販売は十字屋が一手に取り扱うことになった。関東大震災頃まで独占的に販売、日本のレコード総輸入量の80~90%を常に占めていた。
●主な取扱製品:クラウンピアノ(米)/クラウンピアノ(自動)〝コンビノラ〟/スタインウェイピアノ(アップライト)/ブルートナーピアノ/西川ピアノ/ヤマハピアノ/楽隊用吹奏楽器類/トロンボーン/トランペット/サキソフォン/ギター/ビオラ/コントラバス/マンドリン/大声発音器(平円盤)

ビクターレコードと独占契約

大正時代

大正初期

大正琴を全国独占販売

●大正琴という名前は十字屋が命名。大正3年に第一次世界大戦が勃発し、ハーモニカ、手風琴などの大衆楽器の輸入が止まった。そんな折、製作者の森田伍郎氏より話があり、国産の大衆楽器製作に着手。発売後は大変な評判となる。最盛期には 60本の大正琴が入った梱包が、15梱包ほど1日おきに入荷した。小売では店頭で毎日100本以上が販売され、残りは卸し売りとして販売されていた。なお当時は九州から北海道まで100店以上の小売店に対し、毎月コンスタントに楽器・楽譜類を供給していた。

都山流楽譜 発売

中尾都山と提携し、関東一円で販売を行った。これは昭和7~8年まで続いた。

大正7年

第一次世界大戦後、全扱品の直輸入へ

●倉田初四郎、輸入先をアメリカからヨーロッパへシフト
●主な取扱製品:■仏製/ガボーピアノ、エラールピアノ、ラハールピアノ、バルトールピアノ、クエルノン吹奏楽器 ■独製/チンメルマンピアノ、ザイラーピアノ、カルマンピアノ、グロトリアンスタインウェヒ、ホーナー、H・アコ、ゲブリシュスター吹奏楽器 ■米製/ライオンアンドヒーリーピアノ ■伊製/カラチエ、マンドリン ■国産/西川ピアノ

大正10年

セノウ楽譜を一手に取り扱う

●セノウ楽譜は、当時30銭均一で世界の楽曲を千数百種類も出版。音楽愛好家で「セノウ楽譜を持たない人はいない」とまで言われたほどである。十字屋は社屋裏に倉庫を1軒借り、在庫を保管。その普及に努めた。

スイス製メトロノーム販売

●横浜芝商会より仕入

パティベビー(仏)より映写機・撮影機を初輸入

●この輸入により、十字屋3代目倉田繁太郎による一連の教育映画・普及活動が始まる。

大正11年

英国ビクターレコード(ヒズ・マスターズ・ボイス)をはじめて輸入販売

●当時の英国ビクターレコードは、音楽愛好家の垂涎の的。それまでの扱い品である米国製ビクターレコードは片面しか収録されておらず、録音時間も短かった。一方で本レコードは両面盤であり、長時間の大曲を収録できた。主な収録曲は「ベートーベン 第九シンフォニー」「ベートーベン ピアノコンチェルト全曲」「クロイツェルソナタ」「シャリアピン」など。これらは輸入直後から大好評、当時8室の試聴室はすぐ満杯となり、ピアノ陳列所(楽器売り場)を解放。それでも足りず、店舗奥の十畳間で対応していた。こうした活動により、日本全土に長時間の大曲が普及していった。

大正13年

「音楽新潮」創刊

「音楽新潮」創刊

大正14年

オーケストラ・スコアの輸入を開始

●オレインブルグ、ブライトホックなどをNHKへ大量に納品

マーベル蓄音器製作を発表

●当初はサウンドボックスだけを作り、後に全部を製作。すぐさま人気商品となり、昭和初期には店頭販売だけで一日30台以上が販売された。

マーベル蓄音器製作を発表

昭和時代

昭和5年

銀座堂開店

●コロムビア、ポリドールレコードの取り扱い開始。

ベル映写機製作発表

●1万台の生産販売を行った。

昭和7年

マイナーハーモニカ考案発表

●佐藤秀郎氏の考案による。

昭和11年

タイガーホーン発売

●「タイガーホーン」は拡声装置の商品名、製造はトリノ電業。ベル映写機で全国の学校に地盤を築いていたため、そのルートでタイガーホーンも販売した。当時、東芝やビクターなど大手メーカーも生産販売をしていたが、小学校の納入実績は十字屋が勝っていた。

昭和12年

理科映画大系“せみの一生”が完成

●主な取扱製品:楽典大要 鈴木米次郎著/作曲理論対位法 瀬戸口藤吉、鈴木筧之進共著/西洋音楽史 ランドルミー著 柿沼太郎訳/音楽鑑賞教育 長津昌業著/ベートーベンの一生と作品研究 柿沼太郎訳/ショパンの生涯 ハネカー著 鈴木筧之進訳/ショパンの芸術 同/チャイコフスキーの一生と作品研究 柿沼太郎訳/ギター(国産品もあり)

株式会社に組織変更。

昭和20年

戦災により銀座社屋焼失

昭和49年

創業100周年

昭和61年

地上9階、地下一階の新社屋完成

●9階には多目的ホールを設置し、音楽普及活動に向けたイベント事業をスタート。

平成時代

平成2年

株式会社ミディア設立

●コンピューターミュージックのハードおよびソフトの卸販売のため、同業務を分離独立。新規事業としてスタートさせる。

平成12年

デジタル楽器部を株式会社ミディアに移管

●それに伴い、東銀座に新店舗を開設する。

平成16年

創立130周年

●記念として十字屋通信を創刊。

平成18年

銀座十字屋ハープ&フルートサロンをリニューアルオープン

平成19年

株式会社ミディアを株式会社ディリゲントに改称

平成20年

銀座十字屋ハープ&フルートサロン吉祥寺をオープン

平成25年

社名を株式会社十字屋から株式会社銀座十字屋に変更

平成26年

創立140周年

株式会社ディリゲントを吸収合併

[銀座十字屋 創業の顚末] 日本における西洋音楽のルーツとは

全36話完結/part1からお読みください