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楽器について

ハープの歴史 Vol.1 ~ハープの起源、中近東のハープ~


アルク・ミュジカル

ハープの起源


ハープの起源は狩人の弓ではないかと考えられています。

狩りで使う弓を射るときに音が出ることに気付き、それを楽器として弾いたのが始まりとされています。この原始的な楽器は、奏者の口や、ひょうたんなどの空洞を持った硬い堅い木の実などを共鳴胴の代わりにし、音を出していました。
このような楽器は、今も尚アフリカの原住民たちの間で「アルク・ミュジカル」(音楽する弓)と言う名で使用されています。

その後、同じ一つの共鳴胴に、複数の弓を取り付けたハープが誕生しました。このハープは現在のハープの原型を思わせる形になっていました。


中近東のハープ


古代中近東最古のハープも、同様の形をしていたそうです。紀元前三千年前のシュメール文明時代にも、このような三弦の弓状ハープが使われていたと記録されています。
また、同時代、エジプトでも同様のものが使用されていた記録も残っています。エジプト、ラムセス三世の墓室の壁画にもハープは登場します。

ラムセス三世の壁画に出てくるハープ

この時代のハープは、金、銀、宝石などの装飾品が使われ、王位を表す紋章なども彫刻されていました。
また、牡牛の頭を飾りにつけたハープもあることから、ハープは音楽としての楽器以外にも、宗教的な役割を持っていたのではないかと推測されています。
これらのハープは、弦が10本~14本、大きさも1メートル半~2メートル程ありました。そのため、座って弾く事が困難なため、立って弾かれていたそうです。しかし、その大きさゆえ、儀式などの時に行列に参加するのは困難になりました。
そこで、紀元前1500年頃から、3、4本の弦を張った携帯用の小型の弓状ハープが誕生、使用されていました。

古代の弓状のハープ古代のハープ

弓の反りが深いシュメール人のハープには、長い弦を張ることが困難で、かすかな音しか発することができませんでした。そこでシュメール文明を受け継いだバビロニア人は、弓状ハープと、音を響かせる共鳴胴とを繋ぎ合わせることを考え付いたのです。この発明は、ハープの形状を著しく変化させるきっかけとなりました。
この三角ハープは当初、指で弾く方法と、バチで弦を叩いて音を出す方法が考えられました。このバチを使って演奏する方法は、それまでよりもよりリズミカルな音楽を生み出してきたと考えられています。

後に中近東の他の国々にもこのハープは伝わり、後にシリア、フェニキア人が、現在のハープで言うところの支柱に当たる第三の支えを発明し、三角ハープをより頑丈なものとしました。この種のハープは、後に数々の島国を経由し、ギリシアにまで渡りました。
このハープは、現在の小型ハープのようにひざの上に乗せて演奏されていました。
やがてハープは様々な国を経て、アメリカ、西欧へと伝わっていきます。



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