ハープ人名事典

ニコラ=シャルル・ボクサ

チェコ系フランス人ハープ奏者。1806年にパリ音楽院に入学し、作曲とハープを学び、1813年にナポレオンの宮廷楽団のハーピストに任命されるも、1817年に通貨偽造・窃盗・重婚の三重の罪に問われイギリスに逃亡。ロンドンでハープの名手として開花する。王立音楽院の創立にともない初代のハープ科教授にも任命されたが、1827年に前歴発覚で辞任。1939年に人妻だったオペラ歌手アンナと駆け落ちし、ヨーロッパ各地から中近東~アメリカ~南米と二人で世界演奏旅行に出向き、最期はオーストラリアのシドニーで没した。ハープに新しい技法を取り入れ、ベル・カント奏法に近い効果をハープから引き出した。8曲のオペラや5曲のバレエ音楽の他に360曲におよぶハープのための作品を残す。今でも練習曲集は名高い。

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